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[プレスリリース]アミノ酸の組合せで体外受精卵の着床能力を改善~活性酸素の着床に良い作用~

【発表のポイント】
・胚の着床能力は、アミノ酸の組合せにより正にも負にも変化する
・アルギニンとロイシンの組合せは胚の着床能力を向上させる
・この組合せでは、活性酸素を増やすことで、着床関連分子を誘導する

■研究概要
 宇都宮大学農学部の松本浩道教授の研究グループは、アミノ酸の組合せが、マウス胚の着床能力を向上させたり、低減させたりすることを明らかにしました。本研究により、アルギニンとロイシンの併用は胚の着床能力を向上させることが明らかになりました。またその際に、活性酸素を増やすことで着床に関わる分子であるインテグリンα5β1の発現を誘導することが分かりました。一方で、活性酸素を低減させるビタミンCは、胚におけるインテグリンα5β1の発現を低下させました。これまで活性酸素は初期胚の発生に悪いことが知られていましたが、本研究の結果からアミノ酸の働きで胚が着床のステージに移行する際には、活性酸素が良い作用を持つことが明らかになりました。
 本研究成果は、3月12日付で学術誌「PNAS Nexus」に掲載されました(オンライン版で公開されました)。

図:アルギニン(Arg)とロイシン(Leu)の組み合わせによる胚盤胞の着床能力改善。活性酸素(ROS)を増やすミトコンドリア活性(ΔΨm)は変化せず、活性酸素を分解するグルタチオンペルオキシダーゼ4(GPx4)とグルタチオン(GSH)レベルの低下が起き、分解能力が低下することにより活性酸素が蓄積します。この蓄積した活性酸素がインテグリンα5β1(Integrin α5β1)を誘導し、胚盤胞の着床能力がアップします。


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【お問い合わせ】
学術院 教授 松本 浩道
TEL:028-649-5432
E-mail: matsu※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)

【関連リンク】
研究者総覧 松本 浩道 教授
農学部