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[プレスリリース]ブラックホールに吸い込まれる降着円盤の乱流構造を解明
―最先端スパコンによる超高解像度シミュレーションで実現―
宇都宮大学データサイエンス経営学部の川面洋平准教授(研究当時:東北大学学際科学フロンティア研究所(FRIS)助教)と東北大学学際科学フロンティア研究所(FRIS)の木村成生助教は、理化学研究所の「富岳」や国立天文台の「アテルイⅡ」などのスーパーコンピュータを駆使し、従来に無い極めて高解像度のシミュレーションを実施してブラックホール周辺のガスの流れである降着円盤の複雑な乱流構造を解明し、大きな渦と小さな渦をつなぐ「慣性領域」の再現に初めて成功しました。
降着円盤には、磁力線が弦のように振動する横波の「アルヴェーン波」、磁場の強弱が伝わる縦波の「遅い磁気音波」、そして音波の3つの波が存在します。本研究では、慣性領域において「遅い磁気音波」が支配的に存在することが明らかになりました。川面准教授らの以前の研究により、遅い磁気音波が支配的な場合は電子とイオンのうち、イオンが選択的に加熱されることが示されていましたが、この度の発見により、降着円盤内でなぜ電子よりイオンの方が効率的に加熱されるのかという観測事実の理論的説明が可能になりました。
本研究成果は科学誌Science Advancesに2024年8月28日(米国東部夏時間)付で掲載されました。
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【お問い合わせ】
データサイエンス経営学部 データサイエンス経営学科
准教授 川面 洋平
E-mail: kawazura※a.utsunomiya-u.ac.jp
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研究者総覧 川面 洋平 准教授
データサイエンス経営学部