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[プレスリリース]シイタケの柄の着色現象に新たな光 ―遺伝子解析で着色メカニズムを解明―
以前より菌床シイタケ栽培において、収穫時に既にきのこの柄の内部が着色(褐変)する現象が時折報告されてきました。このようなシイタケは、その鮮度には問題はないものの、柄の着色現象は消費者にとっては「傷み」のイメージにつながるため、栽培現場では解決したい課題の一つでした。
宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センターの鈴木智大准教授、同じく農学部の金野尚武准教授および森産業株式会社の岩本綾氏らから構成される研究グループは、シイタケの中でも特に着色が顕著な菌株を対象にして、茶色く着色した部分としていない部分の遺伝子の働きの違いを調べました。
次世代シーケンシングという最新の技術を用いて、変色部分と正常部分で働いている遺伝子の違いを解析した結果、着色に関与するいくつかの重要な酵素が見つかりました。これらの酵素の中には、チトクロムP450、チロシナーゼ、ラッカーゼといった酸化還元酵素が含まれており、これらが着色を進行させる主な原因と考えられています。さらに、これらの遺伝子の働きを確かめるために、定量的リアルタイムPCR(qRT-PCR)という方法を使って、特定した遺伝子の発現レベルを測定しました。その結果、茶色く着色した部分でこれらの遺伝子の発現が顕著に増加していることが確認されました。
本研究によって、シイタケの柄の着色現象に関連する遺伝子とその発現メカニズムが明らかにされたことで、今後は栽培現場で対応可能な着色防止策への応用が期待されます。また、生産者が作ったシイタケを消費者が安心して購入できる環境を整えることで、将来的には消費拡大への貢献も期待されます。
本論文は国際学術雑誌「Mycoscience」に受理され、2024年 9月20日にオンライン公開されました。
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プレスリリース全文
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バイオサイエンス教育研究センター
准教授 鈴木 智大
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【関連リンク】
研究者総覧 鈴木 智大 准教授
バイオサイエンス教育研究センター
研究者総覧 金野 尚武 准教授
農学部応用生命化学科