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野村崇人准教授が2023年度植物化学調節学会賞を受賞-植物ホルモン研究の発展に貢献-
バイオサイエンス教育研究センターの野村崇人准教授が「テルペノイド系植物ホルモン生合成経路におけるシトクロムP450の機能解析に関する研究」で、2023年度植物化学調節学会賞を受賞しました。本学会賞は1985年に設立され、植物の化学調節に関する研究推進ならびに技術普及の面で優れた業績をあげた研究者に授与されます。野村准教授は2005年(理化学研究所植物科学研究センター在籍時)に同学会の奨励賞も受賞されており、植物ホルモン研究の発展に長きにわたり貢献されています。授賞式および受賞講演は、2023年11月17日−19日に明治大学(神奈川県川崎市)で開催される植物化学調節学会第58回大会にて行われます。
植物ホルモンは植物体内で生合成され、発芽や成長の制御、環境ストレスへの応答、植物同士の相互作用や、共生・寄生など他生物との相互作用にも働きかける生理活性物質です。野村准教授は、ブラシノステロイド、ジベレリン、ストリゴラクトンといった植物ホルモンの生合成に関与する酵素遺伝子の同定や機能解析を通して、ホルモン生合成経路の解明や、ホルモンの機能が発揮される機構の解明に取り組んできました。
モデル生物だけにとどまらず多様な植物種を研究対象にしたことにより、ホルモン生合成経路の保存や新規経路の進化に関する重要な知見も提供しました。今回の受賞では特に、ブラシノステロイド生合成最終ステップ酵素の発見、ジベレリン生合成経路上の13位酸化酵素の発見、ストリゴラクトン生合成の主経路および特徴的な経路に関わる酵素の分子機構の解明が高く評価されました。
植物ホルモンの研究は植物における様々な生理反応の仕組みやその進化の理解といった学術的な意義に加えて、作物の生産性向上や栽培作業の効率化など、農業を支える上でも欠かせないテーマです。今後、野村准教授による当研究分野の益々の発展が期待されます。
野村崇人 准教授
群馬県出身、2000年に東京農工大学で博士(農学)を取得後、帝京大学と理化学研究所での研究員、帝京大学助教を経て、2008年より現職。2020年より内閣府食品安全委員会の専門委員を務める。
【お問い合わせ】
バイオサイエンス教育研究センター
准教授 野村崇人
TEL:028-649-5527
E-mail:tnomura※cc.utsunomiya-u.ac.jp
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