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[プレスリリース]左ききのグルコースも自然界に存在する?

 化合物を含む溶液に、平面性のある光を通すと、その平面が右にまわったり、左にまわったりすることがあります。この現象を旋光性と呼びます。一般的に、自然界に存在するグルコース(ブドウ糖)は、右にまわる旋光性を示します。そのようなグルコースをここでは「右きき」であると定義します。

 宇都宮大学農学部応用生命化学科の二瓶賢一教授は、宇都宮大学大学院地域創生科学研究科の蒔田瑞祈さんとともに、タデ科植物から得られたグルコースを含む配糖体(グルコシド)に着目して、その有機合成に関する研究を行ってきました。
 その結果、世界で初めて、ネポジングルコシドおよびトラクリソングルコシドの有機合成に成功しました。それらの核磁気共鳴スペクトルなどの各種分析データは、先にタデ科植物から単離されたグルコシドと完全に一致しました。しかしながら、それらの旋光性は、「右きき」ではなく「左きき」のグルコースから有機合成したグルコシドと同じであることが明らかになりました。

 このように本研究では、自然界で極めて珍しい「左きき」のグルコースを含むグルコシドの存在を、有機化学的に証明しました。本成果は、7月9日に学術誌「Tetrahedron Letters」に掲載されました(オンライン版で公開されています)。この論文はオープンアクセスのため、どなたでも閲覧できます。

「左きき」グルコースを含む天然有機化合物の構造


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【お問い合わせ】
農学部
教授 二瓶 賢一
TEL: 028-649-5412
E-mail: nihei98※cc.utsunomiya-u.ac.jp
(※を半角@に変更してください。)

【関連リンク】
研究者総覧 二瓶 賢一 教授
農学部応用生命化学科